セイコーホールディングス グループの株式会社ボノボは、建設業の経営者・役員(計500名)を対象に「建設業の人手不足と施工費に関する実態調査」を実施しました。
深刻化する建設業の人手不足と、それに起因する施工費高騰は、業界内にとどまらずエンドユーザーにも影響を及ぼし始めています。本調査では、実際にどの程度の企業が人手不足によって受注を制限しているのか、また今後の施工費についてどのような見通しを持っているのか、その実態を明らかにしました。
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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000180562.html
建設業者の約7割が人手不足と回答
現在の採用状況について質問したところ、「人手不足が深刻(36.2%)」「やや人手不足(36.2%)」と回答した企業は合計72.4%となり、建設業の多くの企業が人材不足を感じていることが分かりました。
一方で、「人手は足りている(13.8%)」と回答した企業は一部にとどまり、人材確保が依然として業界全体の課題であることがうかがえます。
建設業界では高齢化や若手人材の不足が長年指摘されており、今回の調査からも慢性的な人材不足の構造が続いていると考えられます。

約4割が人手不足により「受注を断る」状況に
人手不足によって発生している問題について質問したところ、「ベテランへの負担集中(47.5%)」が最も多く、次いで「受注を断っている(43.1%)」という回答が続きました。
そのほかにも「工期の遅れ(31.2%)」「品質低下の不安(23.2%)」などが挙げられ、現場への負担や業務への影響が広がっている様子がうかがえます。
また、4割を超える企業が人手不足を理由に受注を受けることができず、案件を断っている実態が明らかとなりました。

7割を超える企業が、「人手不足は見積り価格に影響がある(73.5%)」と回答。
建設需要に対して供給が不足する状況が顕在化してきている状況です。こうした供給制約は、施工費の更なる上昇圧力につながるリスクとして、今後の建設市場に影響を与えると考えられます。

施工費は今後5年で「さらに上昇する」と7割超が回答
ここ1〜2年の見積金額の変化について質問したところ、「上昇した(36.8%)」「やや上昇した(37.0%)」と回答した企業は合計73.8%となり、多くの企業がすでに施工費の上昇を実感していることが分かりました。
さらに、今後5年で施工費がどのように変化すると思うか質問したところ、「さらに上昇すると思う(74%)」が最も多い結果となりました。また、「あまり変化はないと思う(15%)」を含めると、約89%の企業が施工費は下がらないと予測していることが分かりました。
施工費上昇の要因としては「資材費の高騰(84.6%)」が最も多く、次いで「外注費の高騰(70.7%)」「人手不足による人件費の上昇(64.2%)」が挙げられました。
資材費・外注費・人件費など複数のコスト要因が重なり、施工費の上昇圧力は今後も続く可能性があると考えられます。「効かない」と感じることがあります。



外国人材を採用している企業はわずか1割強にとどまる
外国人材の採用状況について質問したところ、「採用している」と回答した企業は13.8%にとどまりました。
一方で、「採用したことがないが検討中(21%)」と回答した企業も一定数存在するものの、「検討していない(59.2%)」が過半数を占める結果となりました。
建設業界では人手不足が深刻化している一方で、外国人材の活用はまだ限定的であり、今後の人材確保において外国人材の活用がどこまで進むかが一つの課題となる可能性があると考えられます。

まとめ:建設業の人手不足が招く施工費高騰の連鎖
今回の調査では、建設業界における人手不足の深刻化と、それに伴う施工費上昇の可能性が改めて浮き彫りとなりました。建設業者の約7割が人手不足を感じており、約4割の企業が人手不足を理由に受注を断っていると回答しています。こうした供給制約は、施工費の上昇圧力につながる可能性があり、実際に多くの企業がここ1〜2年で見積金額の上昇を実感しているほか、今後5年でさらに施工費が上昇すると予測する企業が多数を占めました。
建設業は住宅や商業施設の建設だけでなく、道路やインフラ整備など、日本社会の基盤を支える重要な産業です。人手不足や施工費の上昇は、建設業界にとどまらず、社会インフラの維持や企業の設備投資、さらには日本経済の持続的な成長にも影響を及ぼす可能性があります。
また今回の調査では、外国人材を採用している企業が1割強にとどまるなど、人材確保の取り組みはまだ限定的である実態も明らかになりました。今後は人材確保の多様化や生産性向上、技術活用などを通じて、建設業の持続的な体制を構築していくことが、産業全体の重要な課題となると考えられます。
〈調査概要〉
調査年月:2026年2月26日~2026年3月10日
調査方法:インターネット調査
調査主体:株式会社ボノボ
実査機関:アイブリッジ株式会社
有効回答数:500名
調査対象:建設業界の経営者・役員

