中小規模店舗・オフィス向け 業務用エアコンの空調方式と室内機の選び方

目次

はじめに

業務用エアコンの設置や入れ替えを検討するとき、空調方式や室内機については、専門的で分かりにくい印象があるかもしれません。そんなとき「どんな空間で、どう使うか」というポイントを整理することで、空間に合った空調計画をスムーズに立てやすくなります。

本記事では、中小規模の店舗やオフィスを想定し、業務用エアコンの空調方式の違いから、個別空調で使われる室内機タイプ、そして選定時に整理しておきたい考え方までをやさしく解説します。

業務用エアコンの空調方式:「セントラル空調」と「個別空調」の違い

業務用エアコンの空調方式:「セントラル空調」と「個別空調」の違い

業務用エアコンの空調方式は、大きく分けて「セントラル空調」と「個別空調」の2種類があります。

この違いは、「空調をどこで、どの単位で管理するか」という考え方の違いです。

セントラル空調方式:一箇所で、建物ごと調節

建物内に設置した中央熱源(冷温水機・ボイラーなど)で空気をつくり、ダクトや配管を通じて建物全体に送る方式です。大型ビル、病院、商業施設、ホテルなどで採用されることが多く、建物全体を一括で管理・制御する点が特徴です。

一方で、初期コストや設計の自由度、部分的な運転調整が難しいといった側面もあります。

個別空調方式(パッケージエアコン):室外機単位でエリア・部屋ごとに調節

セントラル空調方式に対して、室内機とセットで室外機を設置することで、エリアごと・部屋ごとに空調を制御できる方式です。

・空間ごとに運転を切り分けることもできる

・導入規模を必要最小限に抑えやすい

・設置・工事のハードルが比較的低い

こうした特長から、中小規模の商店、飲食店、美容室、クリニック、オフィスなどで、多くの場合この個別空調方式が採用されています。 なお、個別空調方式で導入される、室内機や室外機などの機器を”ひとまとめ”で設置するエアコンは、一般的に「パッケージエアコン」と呼ばれます。馬力や設置の自由度、環境特化性能などの違いからいくつかの種類に分けられており、設置場所に合った機種を導入できます。

パッケージエアコンの基本構成と、室内機タイプの考え方

業務用エアコンを更新するには初期費用がかかりますが、最新機種への入れ替えは長期的なコスト削減効果が非常に大きいです。

最新モデルでは、省エネ性能が格段に向上しています。インバーター制御や高効率熱交換器の採用により、旧型比で最大40%もの電力削減が期待できるケースもあります。
この削減分がそのまま「利益」として企業に残るわけです。

また、最近では補助金や税制優遇制度も充実しています。環境省や自治体の省エネ補助金を活用すれば、導入コストの2〜3割が補助対象となることもあります。さらに、リースや分割払いを活用すれば、初期費用を抑えつつ最新設備を導入できるのです。

加えて、空調更新は「働きやすい環境づくり」にも直結します。快適な温度管理が維持できることで、社員の集中力や生産性が向上します。働きやすい環境が離職率の低下につながる可能性もありますね。
つまり、空調更新は単なる設備投資ではなく、経営全体の利益率を底上げする戦略投資ともいえるのです。

室内機タイプの選び方は「空間」「使われ方」「見た目」で考える

設備を入れ替えた後も、日々のメンテナンスと運用最適化が欠かせません。

まず大切なのは、定期的なフィルター清掃や点検です。汚れたフィルターは風量を下げ、冷暖房効率を大幅に落とします。清掃を怠ると、電気代が10〜20%増加することもあるため、週に1回清掃を行うのが理想ですが、月に1回でも良いので定期的に清掃を行うことが大切です。

また、設定温度の見直しも効果的です。冷房は28℃、暖房は20℃を目安にすることで、年間の空調コストを約1割削減できます。温度を1℃調整するだけでも電力使用量は大きく変わるため、全社的な温度ルールを設定すると良いでしょう。

さらに、使用時間帯の最適化も見逃せません。勤務時間の前後や休日に自動的に空調を制御する「タイマー設定」や「エネルギーマネジメントシステム(BEMS)」を導入すれば、無駄な稼働を防ぎつつ快適さも維持できますよ。

こうした小さな改善を積み重ねることで、年間数十万円単位の節約につながるケースも多いのです。利益を守るためには、更新だけでなく「日々の運用」がカギになるといえます。

まとめ|ポイントを整理すると、空調選びはシンプルになる

業務用エアコンを検討するときは、機種選びの前に空調方式と室内機タイプについて知っておくとスムーズです。中小規模の店舗やオフィスでは、個別空調方式が主流。現場に合った室内機タイプの選択が大切ですが、その際は以下のポイントを整理して優先順位を考えると選びやすいでしょう。

・空間の広さや天井構造

・人の出入りや利用時間帯

・見た目やレイアウトへの配慮

空調設備は、導入後も長く使い続けるものです。「どんな空間で、どのように使うか」をあらかじめ整理しておくことで、日々の運用や将来の変更にも対応しやすい空調計画につながります。

判断に迷う場合は、図面や現地条件をもとに相談すると安心です。セイコーでは、年間1,000台以上の業務用エアコンを取り扱ってきた実績をもとに、空間の使い方や将来計画まで見据えた提案を行っています。

「どのタイプが合うのか分からない」「まずは仕組みから相談したい」といった段階でも構いませんので、気になる方はお気軽にご相談ください!

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